教員へのパワハラ問題について相談ができる機関・サービスとは?
学校現場において、たびたび槍玉に上がる教員へのパワハラ問題。被害を受け続けた教員は、精神的なストレスが重なりメンタル不調に陥り、追い込まれてしまうというケースもなかにはあります。
こうした問題は、被害者が自分一人で抱え込んでいても解決の糸口は見つからないことも多いです。そうは言ってもどこに相談すればよいのか、わからないという方も多いと思います。
そこで、教員へのパワハラについて相談できる機関・サービスをピックアップし、紹介していきます。
※このページの掲載情報は(西暦)2022年5月時点の内容です。
*各都道府県・市町村の教育委員会
公立学校の教員であれば、相談先として一番に候補にあがるのが、各都道府県・市町村の教育委員会です。学校の責任者(校長など)に相談しても、取り合ってもらえない場合や事態が改善しそうにない場合は、教育委員会への相談をお勧めします。
教育委員会ではそれぞれの自治体ごとに相談窓口を設置しており、相談に応じてもらえます。パワハラを行った教師の問題行動が明らかになり、処分の対象となれば、懲戒免職や停職、減給、戒告といった処分が下されます。
私立学校の教員の場合は、各都道府県に私学課が設置されているため、そちらへ相談してみましょう。
*学校リスクマネジメント推進機構
学校リスクマネジメント推進機構では、学校内での危機管理に特化した専門の機関です。
学校ではさまざまな危機・トラブルが日々発生します。トラブルは学校の生徒だけに起こり得るものではなく、教員へのパワハラもその一例です。
この機関では、学校内で教員へのパワハラが起きてしまった際の対処、予防策などについても相談することが可能です。学校内の危機管理に関するさまざまな研修を用意しており、トラブルのリスクを洗い出し、事件や事故が発生した際の対応方法についての研修も実施しています。
*私学教員ユニオン
私学教員ユニオンは、私立の小学校、中学校、高校で働いている教員が集まって、学校内の環境改善に取り組んでいる団体です。例えば長時間労働や、残業代が支払われないといったケースから、教員へのパワハラ問題まで取り上げ、環境改善に取り組んでいます。
こういった事は教員だけの問題にとどまらず、子供たちへの教育にも悪影響を及ぼしてしまいます。
私立学校の教員で、被害を受けて困っている方は、専任教諭や常勤講師、非常勤講師といった雇用形態については問わないため、一度相談してみるとよいでしょう。
*法テラス(日本司法支援センター)
法テラスは国が設置している公的な機関です。法テラスでは、さまざまな法に関わる問題やトラブルについて、無料で法律相談を行っています。また、悩みについて相談を受けた際、適切な相談窓口への案内も行っています。
学校内での教員へのパワハラは、法律に抵触する問題行為と捉えられる場合もあります。もし、学校の責任者や教育委員会に相談してもなかなか取り合ってもらえない場合は、弁護士を通じて訴訟を行うといった手段もとることができます。
訴訟は最後の手段ではありますが、一度法テラスに相談してみて、受けた被害に対して訴訟を検討する場合は弁護士を紹介してもらい、損害賠償を求めるという手段をとることも可能です。
まとめ
ここまで、教員へのパワハラについての相談先を紹介してきました。被害を受けている教員の方は、各相談先には順序立てて相談を行っていく必要があります。まずは、学校の責任者に相談してみるところからはじめてみましょう。ケースによってはなかなか取り合ってもらえないという場合もあります。ですがうまく取り合ってもらえない場合も、あきらめず段階を踏んで各相談先へ相談を行うようにしてください。